無線機の種類と通話距離

無線機には、購入後すぐにご利用できるものから免許申請が必要なもの等、
様々あります。
ここでは、無線機の種類(局種)と通話可能距離についてご説明いたします。

電波の性質

無線機をご利用になる地形条件や無線機の周波数・送信出力等、様々な要因で通話距離は変わります。
使用する周波数帯で電波特性は変わりますが、基本的には下記の電波の伝わり方の合成により通信が成立します。

直接波
見通し等、直進して直接、伝搬する電波。
回折波
見通し距離外、障害物の陰など回折によって伝搬する電波。
反射波
地表面や山、建物に反射して伝搬する電波。

アンテナ高さ・種類

基地局を設置し、屋外アンテナを設置する場合はアンテナ設置高は勿論ですが、アンテナ種類によって指向特性が異なります。

地形条件

山間部・市街地・郊外地の地形条件。
近くに遮蔽物となる物があるか等。

天候条件

夏場に発生する電離層の関係で反射され、見通し距離外に飛ぶこともあります。周波数が高くなるほど、雨・雪の影響を受けやすくなります。

トンネル内通信

トンネルの直径が遮断周波数(減衰)に大きく関係します。

建物内どうしの通信

建物の構造(鉄筋・コンクリート・木造)・壁の厚さ、窓開口部の有無等が大きく関係します。
階の上下で通信する場合も大きく影響します。

建物内と屋外の通信

建物内と屋外との通信も上記同様に構造等が大きく関係します。

無線機の種類

近距離用

特定小電力トランシーバー (送信出力 10mW)

通話可能距離が短い近距離用。免許・資格不要でお使いいただけます。レジャー用途から業務用途と様々な業種でお使いいただいています。
無線機本体のアンテナを取り外して外部アンテナを取り付ける事は電波法により出来ません。

通話距離の目安(参考)
見通しの良い場所:約1Km
市街地:約100m
郊外地:約200~300m前後
中継通信(通信距離は左記の2倍)

広域用

簡易業務用無線(送信出力 1~5W)

免許申請手続きが必要ですが、最大出力5Wと広域な通信が可能です。
業務用として様々な企業様でご利用いただいております。基地局・車載型・携帯型ともに外部アンテナの利用が可能です。CR(Convenience Radio)と略称で呼ばれます。

通話距離の目安 簡易業務用無線5Wの場合(参考)

一般業務用無線(送信出力 1~○W 免許による)

公共性の高い事業者に専用の周波数が免許される無線局です。
免許申請・無線従事者の資格が必要な無線局で、簡易無線よりも高出力が可能です。
SR(Seivicr Radio)と略称で呼ばれます。
地方自治体・消防・電力・ガス・水道事業用・鉄道・バス事業用・タクシー・警備事業・新聞通信事業用など。

超広域用

デジタルMCA無線

一般財団法人 移動無線センターが運営管理する中継局を介した広域無線通信。
MCA方式(マルチチャンネルアクセス)で、複数の通信チャンネルから自動的に空きチャンネルを選択して接続する通信方式。企業・自治体・官公庁など幅広い分野でご利用いただいております。
災害時においても安定した通信が可能だった事で、近年多くの企業様で非常通信用(BCP)として導入されるケースが増えています。

通話距離の目安

使用されるサービスエリア内(ゾーン契約)の通信が可能です。
全国ネット契約をすれば全国通信も可能です。

全国通信可
エリア図:
新潟県(PDF:2364KB)
全国(PDF:921KB)

IP無線機

IP無線機は、携帯電話網(docomo、SoftBank)を利用した音声をパケットデータに変換して通信をおこなう新しい概念の広域業務用無線機です。
携帯電話のサービスエリア内であれば全国どこでも音声通信・データ通信が可能で、従来の業務用無線と異なり、免許不要で大がかりなアンテナ設置工事も不要です。
毎月定額のランニングコストでご利用いただけます。

通話エリア
イメージ図

弊社は、お客様の業務内容・通話したい相手や場所などシーンに合わせ、最適な機種とオプション品・システム構成をご提案いたします。
納入前の通話テストも致しますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

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